平成27年5月園だより
進級・入園して早くも一ヶ月が経ちました。子どもたちもいつの間にか保育園の生活やお家の方の仕事の時間帯に慣れ、落ち着きを見せ始めています。お家の方と離れるのを嫌がり、泣いていた子どもたちも、少しずつ「ばいばい」ができるようになり、笑って離れることができるようになり、名残惜しそうに振り向くことがなくなり…。子どもは精いっぱい頑張っていますが、「これはこれで安心なんだけど、でもちょっとさみしい…」というお母さんやお祖母ちゃんの声が聞こえてくるのもこの時期です。
保育園は、子どもたちが初めて経験する小さな社会でもあります。初めての保育室、初めての先生、初めての友だち、初めての遊び、そして、初めて食べるお母さん以外の人が作ったごはんの味、であるかもしれません。頑張って「一人でできる!触らんで!!」とむきになってみたり、「でき〜ん!して〜!!」と甘えてみたりと、日替わりで違う態度をぶつけてくる子どもの思いのたけに、新年度で超多忙なお母さん方がヘトヘトかもしれませんね。
でも、子どもたちはそういうときほど、「ぼくのほう見てて!わたしの話を聞いて!」と必死にアピールしてくるものです。振り向いた時にぼくのほうを見てくれていた、見守ってくれていたという安心感。「あのねあのね!聞いて聞いて!」と子どもがせがんだ時に、「なあに?なにかいいことあったの?」という言葉のキャッチボール。ちょっとした日々の積み重ねが子どもたちの人に対する信頼感を育んでいきます。何度も声を掛けたけど「今忙しいから」「『待って』って言ってるでしょ」「静かにしてて」…つい口にしてしまいがちですが、その連続で話を聞いてもらえないことが続くと、子どもたちは人に応えてもらうこと、人を信頼することを諦めてしまいます。「あとからね」と言った時には、必ず忘れずに「待てて、おりこうさん。なあに?」と言葉を返してあげてくださいね。子どもたちの≪人を信じる力≫はその積み重ねで育っていきます。