平成28年12月園だより
11月も末になってようやく冬らしい気温になってきました。と言っている間に、クリスマスやお正月…と慌ただしい季節、風邪を引く間もないくらいに忙しくなりますので、保護者の皆様も体調にはお気をつけください。
さて、私は11月下旬にある研修会に参加し、他市で現役の消防署長をされ、かつ市民防災アドバイザーでもある板井幸則さんの講義を聞く機会がありました。板井さんは大分県緊急消防援助隊として、平成23年3月11日の東日本大震災の人命捜索活動に参加され、その経験から全国各地で防災教育の講演をされていらっしゃいます。今回の講義を受け、改めて避難についての難しさを思い知りましたので、その一部を皆さんにもご紹介し、ご家族の皆さんで一緒に考えていただければと思います。
避難三原則の津波てんでんこ(○想定にとらわれるな ○その状況下で最善を尽くせ ○率先避難者たれ)、これは現在では防災教育を受けている小学生以上の子どもたちのほうが意識が進んでいるとのことで、子どもたちから親世代に伝えていくように教えているそうです。そして、保育園へのアドバイスとして、板井さんから言われたことが、「『今すぐお迎えに来てください』と言わないでください。迎えに来ても家に帰さず、園児たちと一緒に避難をしてもらってください」という言葉でした。東日本大震災では、保育園に残っていた子どもたちは全員保育士に守られ無事でしたが、迎えに来て保護者と帰った子どもの多くが犠牲になってしまったそうです。
だから、津波てんでんこ。私たちは子どもの命を必ず守ります。私たちを信じて、まず保護者の皆さんも自分の命を守り、地震や津波の恐れがなくなってからお迎えに来て下さい。特に、園より下に家がある方は、家ではなく少しでも高いところに逃げましょう。海沿いにある小学校にご兄弟がおられるご家庭もあると思いますが、防災教育を受けている子どもたちはすぐに山に向かって走り出しています。海に向かって迎えに行くのはとても危険なことなのです。
今年の5月には「南海トラフ全域のひずみ蓄積の分布」が海上保安庁から発表されました。南海トラフ地震は30年以内に70%程度、50年以内には90%以上の確率で発生するといわれています。津波予想は佐伯市13.5m、大分市4.3mですが、熊本・大分地震のように突然身近で起こることもあります。いつどんな状況でも対応できるように準備をしておきましょう。
今後の備えとしては、
1 自分の命は自分で守る(自助)
2 迅速に正しい情報収集
3 ご近所で助け合う(共助)
4 備蓄(非常持出袋の準備→短期、ローリングストック〔日常生活での備蓄〕→長期)が、大切であるといわれています。この年末のお休みには、ご家庭でもご家族の皆さんとどういう準備をしていくか、どういう避難をするべきかについて、話し合ってみてはいかがでしょうか。